自分の将来が不安
今は一人で十分生活できているけど、認知症になってしまった場合、 入院や施設の入所手続、費用の支払い等をきちんとできるか、不安だ。
今は一人で十分生活できているけど、認知症になってしまった場合、 入院や施設の入所手続、費用の支払い等をきちんとできるか、不安だ。
いまのうちに施設に入った方が誰にも迷惑をかけないと思っていたんですが、やっぱりいますぐ施設で生活するのはちょっと。ご近所付き合いも大切にしたいし…認知症になる前にどう備えたらいいかと調べてたら「後見制度」というものを知りまして、検討してみようと思ったんです。この制度を使ったら、安心して暮らせるんですよね?
認知症になる前に財産管理や相続、死後のことを考えておくと安心です。山田さんの場合、今は認知症でもなく、判断能力もしっかりしておられるので、「任意後見制度」も使えます。この制度は、あらかじめ「任意後見契約」という契約を結んでおくものです。そうすることで、将来認知症になった場合に、ご自身の希望に沿った支援を受けることが可能になります。
任意後見契約ですか。その場合に必要な費用や手続はどういったものになるのでしょうか?
はい、順番に説明します。まず、契約を締結する前に、これからの生活のことや、将来どのような支援を受けたいのかなど、決めていかなければいけません。契約前に準備する内容が、これです↓
まず、あなたのライフプラン(生活設計)をつくることになります。 たとえば、ご自分の判断能力が衰えてきたときに、介護保険を活用し、在宅で生活しながら友人、隣人と付き合っていきたい、あるいは、ご自宅を処分して施設に入りたい、どこの病院に入りたい、といった希望を考えてみてください。亡くなった後のことも、あわせて考えてみるとよいでしょう。
次に、判断能力が衰えてきたときに、代理人としてあなたを支援する任意後見人(予定者)を決めます。その予定者とご自分のライフプラン(生活設計)について十分話し合って、共に理解し、信頼し合える関係を作ることが大切です。もしも、ご自分の周りに適当な任意後見人(予定者)が見つからないときは、リーガルサポートおおさかにご相談ください。
最後に、任意後見人に与える代理権の範囲や報酬などを決めて、任意後見契約書の原案を作成します。リーガルサポートにご相談いただけたら、法律の専門家である司法書士が契約書の原案作成からサポートします。
わかりました。まず、自分がどのように暮らしていきたいかを決めておくということですね。それを任意後見人になる方と擦り合わせて、最終的に契約書の原案をまとめるということでしょうか。
はい、まさにその通りです。ライフプランについてはしっかり決めなくても大丈夫です。後見人になる方とじっくり話し合ってみてください。
後見人を誰に頼むかですけど。わたし、身寄りがいないもので。それに財産管理について友人に頼むのも負担をかけ過ぎると思って…。専門家である司法書士にお願いしようかと考えています。10年20年先を考えるとお若い方の方がいいかしら。
リーガルサポートには若い司法書士も大勢在籍していますよ。逆に、ベテランの司法書士の方が良いという方もおられますね。
そうなんですね。もう少し考えて決めます。
ところで、報酬についてなんですがおいくらぐらいなんですか?
そうですね、任意後見については、契約内容次第で金額が異なってきます。また、依頼する司法書士によっても金額の設定が違いますので、金額についてはここですぐにお答えすることができません。実際に依頼する司法書士と、よく話し合ってみてください。
確かに、何をお願いするのかも決まってないのに、報酬は決まらないわね。
重要なのは、正式に契約をする前に、契約内容をよく検討し、ご自身が納得できる報酬を決めることです。
わかりました。
それとね…。
何でしょう?
…先日、ネットで調べてたら司法書士の横領事件とかの記事を見てね。
ほんと怖いな〜と思ってね。なんだか、ああいうの知っちゃうとほんと信じられなくなちゃって…。
お気持ち、すごくわかります。
正直、私も後見制度が悪用されてることについて憤りを感じています。リーガルサポート所属の司法書士は倫理研修を含む研修を受けて、常に必要な研修単位を維持しなければ、後見人候補者の名簿に登載されません。また、リーガルサポート所属の司法書士は、リーガルサポート本部への定期的な業務報告が義務付けられており、リーガルサポートの監督のもとで後見業務を遂行しています。このように後見制度が安心して利用できる仕組みが大切だと思っています。
…そう。ごめんなさいね、余計なことを話して。
そういえば、任意後見を契約しても、認知症になってからでないと何もしてくれないってことですよね?
せっかく司法書士さんに色々頼んでいても、しばらくお付き合いなくなってしまったら、私、契約のこと忘れてまうかもしれません…。
そのためにリーガルサポートおおさかでは基本「見守り契約」も合わせてご提案しています。また、ご本人の希望があれば「財産管理等委任契約」も締結します。
見守り契約?
財産管理…?
見守り契約とは、本人が認知症でなく判断能力が十分な間は、任意後見受任者が定期的に本人と連絡をとりあい、継続的な見守りを行う契約をいいます。任意後見契約は、契約締結から効力発生までに相当期間を要する場合があります。
見守り契約を締結しておけば、信頼関係を維持し続け、ご本人の異変にいち早く気づき適切な時期に任意後見契約を発効させることができるため、ご本人の権利擁護につながると考えています。
財産管理等委任契約とは、認知症でなく判断能力が十分な間から任意後見受任者の支援を必要とする行為について定期的な見守りだけでなく、代理権を与えて財産管理を委任する契約をいいます。判断能力はしっかりしていても、身体が不自由な方や財産管理が不安な方のための契約です。
ここまでしてくれるなら、施設入所の保証人とか身元引受人とかにもなってもらえるのかしら。そういう人がいないと、施設に入ることもできないって聞いたものだから…。
基本的に、後見人がご本人の保証人になったり身元引受人になることはないんですよ。後見人の職務の範囲を超えることだからです。
あら、そうなの?
もっとも、施設にとっては、きちんとお金を払ってもらうことが大事なので、後見人がいて、費用の支払いがきちんとされる方については、保証人が不要という施設もあるようです
では、そういう施設を今から探しておこうかしら。
そうそう、思い出しました。私が死んだ後はどうなるんですか?
はい、任意後見契約は、ご本人が亡くなられた時点で契約が終了します。
その後、財産管理の事後処理を行い、相続人と家庭裁判所に報告して任務が終わります。
じゃあ、お葬式のこととか、身の回りの後始末は別ってことですか?
ええ、身寄りがない場合など「死後事務委任契約」を合わせて締結することも可能です。
死後事務委任契約?
死後委任契約とは、ご本人が死亡した後に、ご本人の希望する手続きを委任する契約をいいます。ご本人が死亡すると任意後見契約は終了しますので、財産管理の計算、引き渡しの事務などは任意後見人が行うこととなりますが、葬儀、埋葬、死亡届の諸手続き家財道具の処分、親族への連絡などの事務については任意後見人の事務の範囲外となります。そこで、これらを委任するのが死後事務委任契約です。
手続きの内容 |
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役所への死亡届の提出、戸籍関係の諸手続き |
葬儀・火葬に関する手続き |
埋葬・散骨に関する手続き |
不動産契約の解約・住居引渡しまでの管理 |
住居内の遺品整理 |
公共サービス等の解約・精算手続き |
関係者への死亡通知 |
はぁ、考えることいっぱいですね。
一度に全部考える必要はないので、今後、検討していきましょう。
そうですね、ゆっくり考えてみます。
それと、山田さん、亡くなった後のことといえば「遺言」を書くことは検討してみましたか?
そうなの。考えなきゃと思っていたんです。弟がいるんですが疎遠なので…どこかに寄付しようと考えています。そういうことも手伝ってくれるんですか?
はい、任意後見契約の内容と関連してますので。
契約内容と同時に遺言書も作成しましょう。
そうですか。これである程度、これからのことが整理できそうです。
ありがとうございます!
今は一人で十分生活できているけど、
認知症になってしまった場合、
入院や施設の入所手続、費用の支払い等を
きちんとできるか、不安だ。
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離れて暮らす父が、最近物忘れが
ひどくなった。施設の入所となると自宅の
売却を考えないといけないが、
成年後見人が必要な状況だろうか?
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しているが、どうも管理がルーズ。
誰かきちんと中立な立場で管理
してくれないだろうか。
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知的障がいのある子どもがいるけれど
私が認知症になったり、死んでしまった後
子どもはどうやって生活していくのか不安。
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父の財産を相続したが、相続人のうち、
母が認知症のため、保険金の受取や
銀行口座の解約ができなかった。
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身寄りがいない方の契約手続きが進まず
施設の入所ができない。このままでは
また入所待ちになるかもしれない。
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成年後見制度とは、認知症や知的障がいのある方など、判断能力が不十分な方々を、法律面や生活面で支援する制度です。
後見人(本人に代わって財産管理や様々な手続きをする人)を選任することで、
介護・福祉サービスや施設との契約、銀行との取引、各種費用の支払い、年金の受給など、
暮らしに関わるさまざまな手続きをサポートできるようになります。
より詳しく知るには、こちらをご覧ください。