公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート 大阪支部 リーガルサポート おおさか

財産管理のお悩み

兄が認知症の母の財産を管理しているが、着服している恐れがある。
誰かきちんと中立な立場で管理してくれないだろうか。

佐藤夏子さん(仮名)62歳の場合

お悩みポイント

  • 認知症の母の財産が着服されている恐れがある。
  • 母が施設に入所する資金は大丈夫だろうか?
  • 遺産相続についても一悶着ありそう。

リーガルサポートおおさかに相談した佐藤さん

佐藤さん

母がグループホームに入ることになったので、その費用を母の財産から支出することにしたのですが、生前父が話していた金額とどうも数字が合わず…。今は、母の通帳などは全て兄が預かっているのですが、どうも兄が結構な額を勝手に引き出して使っているようなのです。今後のことを考えると、法律で決められたとおりしっかり財産管理した方がいいと思いまして。

リーガルサポート
司法書士

わかりました。
それで成年後見制度の利用を検討されているわけですね。

佐藤さん

はい。私が兄に通帳を返せというのも何かおかしな話ですし。
私が返せっていうのはできませんよね?

リーガルサポート
司法書士

確かに、斎藤さんのお金ではないですから、基本的には、返せという立場にはありませんね。

佐藤さん

でしょう?かといって私が後見人になるのも色々大変そうで・・・。

リーガルサポート
司法書士

なるほど、そういうことでしたら、専門職後見人を検討されると良いかと思います。

佐藤さん

はい。そこで色々調べて、リーガルサポートおおさかに来たのですが。
例えば、司法書士さんに後見人になってもらったら、通帳を渡してくださいと言えるんですよね?

リーガルサポート
司法書士

そうですね。後見人は、ご本人の財産を適正に管理する義務と権限がありますので、後見人として通帳を預からせていただくことになります。

佐藤さん

横領が分かれば取り返すこともしてくれるんでしょうか?

リーガルサポート
司法書士

事情にもよりますが、場合によっては、引き出した分も含めて、ご本人に返還するよう請求することもありますね。

佐藤さん

でね、取り返してもらうのはいいんですけど…。
ネットで調べていると、司法書士さんや弁護士さんの横領事件を知ってしまって…。もう、誰を信用したらいいかわからなくなってしまったんです。

リーガルサポート
司法書士

そうでしたか、リーガルサポート所属の司法書士は倫理研修を含む研修を受けて、常に必要な研修単位を維持しなければ、後見人候補者の名簿に登載されません。この点は、信用できる人を選ぶ際のポイントのひとつになるかと思います。

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佐藤さん

候補者の名簿?

リーガルサポート
司法書士

はい。リーガルサポートでは、要件を満たした会員を搭載した後見人候補者の名簿を家庭裁判所に提出しています。家庭裁判所が専門職後見人を選任する場合は、この名簿の中から選ばれるのです。

佐藤さん

そういう仕組みになってるんですね。

リーガルサポート
司法書士

また、リーガルサポート所属の司法書士は、リーガルサポート本部への定期的な業務報告が義務付けられており、リーガルサポートの監督のもとで後見業務を遂行しています。こういう仕組みがあるということも、ひとつの安心材料として考えていただければと思います。

佐藤さん

そうなの。おっしゃること、参考にさせていただくわ。

リーガルサポート
司法書士

ありがとうございます。リーガルサポートの存在意義は、成年後見制度が安心して利用できるようにすることです。

佐藤さん

ところで、通帳などを取り返していただいた後は、後見人に管理してもらうとして、母が死んだ後、その財産はどうなるのでしょうか?

リーガルサポート
司法書士

後見人の業務は、ご本人の死亡によって終了しますので、残務処理を行った後に、ご本人の相続人にすべてお返しすることになります。

佐藤さん

相続人というと、兄に返すのかしら?それとも私に返していただけるのですか?

リーガルサポート
司法書士

そこはその時に相続人間の話し合いによって決めていただくことになりますね。

佐藤さん

話し合いといっても、相続って色々大変でしょう?せっかく専門家が財産管理をしてるのだから、その辺の手続も全部終わらせてもらえると助かるのだけど・・・。

リーガルサポート
司法書士

後見人はご本人の利益のために財産管理をするのが仕事ですので、ご本人が亡くなった後の相続人同士の問題についてまで関与する立場にはないのです。例えば、ご本人の所有する不動産の名義の書き換えとか、銀行預金の解約の手続とか、相続に関する手続で不安があれば、別途相続人からご依頼をいただければ、司法書士がサポートすることも可能です。いずれにせよ、これはご本人が亡くなった後のお話ですね。

佐藤さん

母が亡くなってから、ですか…。
わかりました。それまでにできること、考えてみます。
いろいろ一筋縄ではいきませんね。

まとめ

  • きちんと財産管理を任せるなら専門職後見人を検討されること。
  • 専門職後見人業務をリーガルサポートが監督する仕組みが安心材料となる。
  • 専門職後見人は本人のために業務を行う。相続については関与する立場にない。

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    ご本人の判断能力が不十分となる前に 事前にご本人が後見人を決めておく制度です。 後見人に与える権限もあらかじめ ご本人で決めることができます。